予防歯科・小児歯科

予防歯科というと、「虫歯が小さいうちに、歯石が付いたら早めに歯医者に行く」ということをイメージされる方が多いかもしれません。

それは確かに大事なことですが、一度でも虫歯になって削ってしまった歯は、治しても完全に元通りにはならず、歯周病で溶けてしまった骨も簡単には元に戻りません。

「私は歯が弱いから、年齢を重ねれば虫歯などになるのは仕方がない」と思われる方もいると思います。しかし、しっかりとした予防を行うことで何歳になっても健康な歯でいることは可能です。

ご自身の大切な歯を守るためには、虫歯や歯周病にならないことが大切です。虫歯や歯周病は、プラーク（歯垢）という細菌による感染症ですから、このプラークを徹底的に除去する『プラークコントロール』はとても重要です。

プラークコントロールの基本となる虫歯や歯周病の予防方法は、ご自宅での歯ブラシを使ったブラッシング（歯磨き）がポピュラーです。
その他にも「糸ようじ」「歯間ブラシ」「デンタルフロス」などを利用する方法もあります。

ただ、ご自身のケアでは磨き残しが発生するので、医院でのケアを行っていただくことで、予防効果は高くなります。

朝など、歯に付いた「ネバネバ」を感じることはありませんか？

このネバネバは「バイオフィルム」といって、プラーク（歯垢）の固まりです。
このバイオフィルムは細菌を頑丈に守っており、普通に歯磨きをしたくらいでは除去できず、歯を消毒する薬品も通りません。

PMTC（プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング）は、そのバイオフィルムを破壊し、お口の中を清潔に保つための治療法です。超音波などを使った専用の器具を使うことで、セルフケアでは落とせない歯石やバクテリア膜（バイオフィルム）をきれいに落としていきます。

またPMTCは、元々の歯の白さを蘇らせるだけでなく、タバコのヤニや、コーヒー・ワインなどの色素沈着も除去されますし、舌ざわりも歯がツルツルになりスッキリします。

フッ素を使い歯面のケアを行うことで、虫歯になにりくい歯質と虫歯ができにくい環境を作ります。

大人の方には、歯に直接塗るタイプやペースト状などいくつかの種類を、患者様の状態によって最適なものを使用していきます。
また、お子さん向けにはフルーツ味のフッ素も導入しています。

小児歯科は、歯が生え始める0歳児から永久歯と乳歯が
混在時期を経て、永久歯に生え替わるまでが対象です。

お子さんにとって虫歯の治療はとても嫌なものでもあります。
当院では、「キーン」とか「ゴゴゴ」とか、お子さんが恐怖心を感じる治療器具をすぐ使うのではなく、まずは治療に慣れてもらうことから始めていきます。

そして、「歯医者さん嫌い」「怖い」と思っていたお子さんが、「歯医者さんなんて全然平気だよ！また来たい！」「歯って大切なんだ！」と感じてくれるような小児歯科医療を心がけながら、お子さんの成長をしっかりと見据えて、適切なケアを優しく丁寧に行っています。

乳歯や、生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいのが特徴です。

乳歯が生え始めたら、その歯を虫歯にしてしまわないようにすることが大切です。虫歯の原因菌のミュータンス菌は人の唾液などを介して感染しますが、子どもの頃に大量のミュータンス菌に感染すると、大人になっても虫歯に悩まされることになります。

それを防ぐためには、医院で虫歯予防に有効な「フッ素塗布」を定期的に行うことが有効です。また、正しい歯磨きの仕方をお教えすること（ブラッシング指導）も予防の一環として行っています。

フッ素は歯の表面をコーティングするのではなく、歯のエナメル質（ハイドロキシアパタイト）に入りこむことで、虫歯に強く溶けにくい物質に変化します。成熟していない生えたての乳歯や永久歯など特に有効です。